+I think you to be a friend!+






馬超の軍に異動して、一月。





猪突猛進な軍なことが有名だからこそ、鍛練が異常に厳しかったり、

・・・まぁ、あつい人が沢山居て、ようやく慣れてきた。(けれど、私もあつくなったわけじゃない。)





一緒に鍛練していても、怪我人は多くでて、忙しい日々。




それだから、自分の鍛練もしっかりとは出来ず、居残りしてやるような・・・多忙な日が続く。





兄様にも、なかなか会えない。



すべて・・・馬超の所為だ。





突っ走らなければ、こんな風にはならないのに。







先鋒でも、落ち着いた趙雲の軍が羨ましい。厳しいのは一緒だけど。










「、先に戻るわ。お前もほどほどにしとけよ」


「はーい。お疲れ様でした。」




前から居た先輩軍医に挨拶して、鍛練の続きを始めた。































「そういえば姜維、最近はを見かけないが・・・」





「馬超殿の軍に行ってからは忙しくて、私も会ってませんね・・・

あ、でも・・・まだ鍛練場にいると思いますよ。馬超軍の軍医は居残る人が多いということなので」







鍛練場に向かう廊下を自分の武器片手に歩いていく。


これから、趙雲と姜維、関平で手合わせをするのだ。



関平は、というと今は調練の時間の為、先に鍛練場にいる。







鍛練場に入れば、武人としては心地よい熱気と覇気。







「あ、関平殿。」


「趙雲殿に姜維殿!早かったでござるな。」

「どの兵士を見てたんだ?」


「・・・・・・・あそこ。殿を・・・」




関平が指を指したのは、自軍の兵の向こうで鍛練を続けるの姿。

小さい体ではあるが、身軽さを利用して不意をつくような突き、払いを空にしている。






「拙者は馬超殿の後に、調練の時間を貰っているのだが・・・いつも最後までいるのは殿なんでござる。」



「軍医の仕事もしてるのにか・・・・」




を想う身としては、いささか心配である。


体を壊すのでは、と不安に思う人間を置いて、姜維は妹のもとへ歩いていく。








「。」




「あ、姜維様。お久しぶりです・・・?一月ぶりですね。今日は調練の日でしたか?」










いつになっても、公私は分けることを忘れない。


もちろん気を抜いていい場所は、思い切り抜いているが。








「いえ、今日は趙雲殿と関平殿と手合わせを。」


「今からですか?そうならば見たいですし・・・」


「今からだな。よければ殿も参加するか?」





「趙雲様!関平様も・・・お久しぶりです。

折角ですが、わたしなどがお邪魔はできません、故に観戦させてもらいます。」







冗談まじりに言う趙雲と、横に居た関平に挨拶をし、観戦を希望した。


関平が、兵に解散を告げ修練を終えると、兵はその場を退くが、帰ることはない。



少しでも、強くなりたい気持ちから、将の戦いで学ぼうということ。






まずは関平と姜維。

力押しでは、関平が勝っていたが、武器の届く範囲で姜維が勝った。




次に、関平と趙雲。

これは、場数の違いか、趙雲があっさりと勝った。もちろん兵との勝負よりはいいものであるが。









最後に、姜維と趙雲。



趙雲と渡り合った青年として、そして軍師としての解析が得意な姜維。

五虎将であり場数を踏んできて、敵軍からも単騎で戻れる実力の持ち主趙雲。







だれも予想できない手合わせ。



同じ槍で、違うのは技。



その手合わせは誰しもが息を呑むような迫力であり、高度な戦いとも思えた。










「でも・・・・兄様は負ける。」






見ていて、確信が持てた。技の精密さが、違うのだ。


どこを狙うべきか、趙雲のほうが知っている。














やはり、結果は趙雲の勝利だった。



手合わせも終わり、兵も帰っていく。






「おつかれさま。やっぱり、趙雲は強いね。もちろん、関平様も兄様もだけど。」


「場数の違いもあるだろうな。」




「そうですね・・・趙雲殿の隙を探すのは難しいです・・・」


「それを言うなら、姜維殿も急に攻撃の向きが変わったりして読みにくいでござる。」




互いの武を良し悪しを、述べ合い、自らの改善点を探す。

将になっても、自分の武を磨くことを忘れない、ということは大切である。







「ふふ・・・」


「殿?」




「趙雲も関平様も、ずっと友達だからね!こうやってるのって楽しい!」




にっこり笑顔で言った言葉を微笑ましいと、見たのは兄、姜維と関平。



趙雲は、”ずっと友達”という言葉に、ショックを受けていたりする。


狙っているが、全く相手には意識されてないということが判明したからだ。




その後は、久々には姜維とお茶をし、関平は星彩と手合わせをすると出て行く。




嫌な現実を見た趙雲は、憂さ晴らしをすべく、馬超に手合わせという暴力を振るったとか、振るわなかったとか。












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趙雲、撃破!!(笑)
そして馬超災難なり。
でもヒロインが意識してるかどうかなんて、誰にも分からない。
なんたって、いつでも元気で明るいのがトレードマークだから。

(08.04.29)