+Hello my family!!(13-years-old)+





やっと着いた。

ここまで来るのに、すごい時間がかかったけれどやっと会えるんだよ。




「止まれッ!!」


門兵は、門に近づいてくる少女を止める。



まだ10代前半に見える、茶色の髪を二つに結んだ少女。

いくら少女だと言えど、勝手に邸になど入れるわけにもいかない。




「えっと・・・?」

「お前、何しに来た?」



「家族を探しに来たんです。

ここに、きょーいって人いませんか?いたら呼んで欲しいんですが。」


早く呼んでよ、とばかりにじっと門兵を見る少女。


「きょーい?・・・・・・姜維殿のことか?」

「そう!!早く!!」


仕方がないと、門兵は邸の中へと入っていくことを決めた。












なにやら、門がいつもより騒がしい気がした。


「何かあったのでしょうか?」

「丞相は先に言っててください。私が見てきますから。」

「それでは、お願いします。」





別に何かが攻めてきたとかでは無いと思うけれど、何かがあるんだろうと感じる。



丁度、門に向かっていると門兵が難しそうな顔をして歩いてくる。







「あの、門のほうが騒がしかったのですが、何かありましたか?」

「姜維殿!!門で、そのー・・・姜維殿を呼んで来いという少女がいまして・・・」

「私を、ですか・・・?」





一体誰だろう?

特に軍以外では女性の友達を作った記憶はない。



その謎な少女の下に向かう。




少女の第一印象は、母に似ている。だった。

あまりいない明るめの茶髪からなのかはわからなかったけれど。



「貴女ですか?私を呼んだのは。」




「貴方がきょーい?」





「はい、私が姜維ですが・・・」



名乗った瞬間、ぱぁっと笑みを浮かべて飛びついてきた。



「ずーっと会いたかった!!

あ、でもきっと私のことは知らないよね・・・私はって言うの。」





・・・?

もしかして、あの?




「生まれは・・・冀県ですか?」



「うん。母様が・・・助けてあげられないから、兄様のとこへ行けば助かるかもしれないって。

母様は、病気で来られなかったけどね・・・・。だからずっと兄様に会うの楽しみにしてたの!」




私が孔明様の下へ来た後、母が戻って来いと言ったけれど断って、

それ以来、家族を考えても無かった。





しかもは、小さい頃、病気で薬師のもとに預けられて会ったこともなかった。






「そうなんですか。それでは私がここに入れるように取り合ってみます。

もし、部屋がない場合は私の部屋をお貸ししますので。」




「ううん。部屋がなかったら私は外でいいんだ。移動中は野宿多かったんだ。だから慣れてるし。」



「何をいってるんですか!女性は体を大切にするべきですよ。」


「・・・はーい。」












それから私は一旦、姜維兄様の私室に連れてかれて、汚れた服とかを変えた。


今まで来てたのよりも、高そうな服に戸惑ったけれど他に無いからそれに着替えた。





「兄様・・・?」



「着替えましたか?一旦お茶でも飲みましょうか、休憩したら劉備様や孔明様に挨拶がありますし。」



促されるまま座り、お茶をもらう。


飲みやすい熱さで安心した。





ずっと警戒しなきゃいけなかった所為かもしれない・・・安心した途端涙が出てくる。



「えっ、どうかしましたか?!」


姜維兄様は慌てるけど、止まらないよ。






「・・・・・ずっと、さみしっ・・・かったっ・・・・

・・・・・母様の、とこから・・・来るのも、兄様がここにいなかったらどうしようって・・・・・不安だった・・・・っ」





「・・・・・あなたには、とても迷惑をかけてしまいすいませんでした。

その分、これから何でもします・・・だからどうか泣かないでください・・・・」




兄様は私を抱きしめて、一定のリズムで背をたたく。


母様も病気になってから抱きしめてくれなかったし、人の体温が久しぶりだった。



本当に、ここに兄様がいてよかった。



家族がいてよかった。








母様、出て行く前に迷惑かけてごめんねと謝られましたが、

とてもいい贈り物でした。

は幸福です。母様にも、兄様をお会いさせてあげたかった。

母様は今、浄土で幸福ですか?




(08.02.20)