あれから1週間くらいで退院できて、1ヶ月もしたら大分動けるようになった。
それで残り少ない期間で、チョコの練習をして、明日はバレンタイン。
なりーも先生に言ったみたいで、持ち込み禁止にならなかった。
これで皆に渡せる!!よかった!!
「でーきたっ!」
皆にあげるチョコを一人分ずつラッピングをした。
多分、これでいいはず!
「ー?この余ったチョコどうするの?」
キッチンに置きっぱなしの鍋に入れたままの溶かしたチョコのあまり。
「どうしようかなー・・・・あ、決めた!またキッチンかりるー!」
いいこと思いついた、と思ってまたキッチンにいく。
トリュフを作って、今度は袋でなくて缶にいっぱい詰め込んだ。
多分10人くらいは大丈夫だよね。
さ、早く明日になれ!!
うきうきしたまま、朝起きて荷物を整える。
「じゃあいってきまーす。」
「はーい。気をつけるのよー?」
「うん。」
家を出ればかすががもういた。
「早いね。待たせちゃった?」
「いや、私も来たばっかりだ。あと、これに。」
鞄から出してきたのは、かわいいけどシンプルなラッピングの袋。
「ありがとーっっ。私もかすがに!」
お互いのを交換して、学校に向かった。
「あ、佐助たちだ!おはよー!」
校門の近くで佐助とゆっきー、伊達くんにあった。
「おはよー。」
「Good morning!」
「おはようございまする!」
挨拶をして、下駄箱に行った。
靴を替えて皆を待てば、固まってる伊達くん。
「どしたの?」
「・・・・・」
視線の先は伊達くんの下駄箱・・・・うわぁ。
「なんて古風なんだろーねぇ・・・チョコを詰め込むなんて。」
言葉が出ない私達の後ろから佐助が言う。それはもっともだと同意。
佐助は人事だと笑っていたから、自分は違ったらしい。
とりあえず、学年の違うゆっきーと伊達くんと別れて、教室の前でかすがと別れて入った。
「「・・・・・」」
そして、目に入るのは、箱の山。
「・・・・ねぇ佐助?」
「うん、言わないで。おれ、スゲーショックだわ。」
古風だと笑い飛ばしていたけれど、佐助の机にはチョコの山が出来ていた。
皆自分で渡しなよ!!
そんなこんなで適当に授業を終わらせた。
「せーんせー。」
私の担任は謙信先生。かすがが羨ましがってたな。
「どうしたのです?」
「ふふー、これ職員室の先生達で食べてください。」
「ちょこれーと、ですか?おいしそうですね。ありがとうございます。」
あげたのは余ったチョコで作ったトリュフ。
信玄先生とか利家先生とかいるし、多分量は大丈夫!信じるぜ!!
そのあとは生徒会室に行く。
皆を待たせてるんだもんね・・・早く行かないと。
「お待たせー。うわぉ。」
生徒会室の机に山が6つ。
「すごーい。これ、今日もらったやつだよね?」
「そーなんだよ。それで今、数かぞえてんのー」
確かにここにいるメンツはカッコいい人ばっかりだよ?
佐助に、慶ちゃん、伊達くんにゆっきー、なりーにチカだから。
「これだけあったらもう、いらないねぇ・・・」
見てるこっちが気持ち悪くなりそう。
唯一喜びそうなのは甘味とかお菓子すきなゆっきーくらいだよ!
実際、笑みを浮かべて数をしてるし。
「えっ、ちょっとちょっと!ちゃんそれはないよ!」
「そうだぜ?から貰ってこそバレンタインだからな。You see?」
「No, I see.だってそれだけあれば十分じゃない。」
「そ、そんな!某殿のチョコ楽しみにしていたのに!!」
「しょうがない。あげるよー。」
そうやって配ってく。
配り終わったから、用事あるからお先にーって部屋をでた。
早く見てくれないかな!
裏門で待ってると佐助が走ってきた。
うん、そこそこのタイムで!!
「あれ、ホント?」
「うん。ホントだよー。私ね、佐助が大好き!!」
「俺様もー」
頑張って作ってみるもんだよね、で私は強く気持ちも持ってみたんだ。
いい加減伝えないと、卒業しちゃうし!!
気持ちも愛情も強く、頑張ってしまえ。
「佐助、愛想つかされないように頑張って!あと強くあってね!!」
(07.12.30)