「佐助、昨日殿には会えただろうか・・・?」
「うん、旦那の言うとおりに許してもらったってか、怒られちゃったよ。」
学校に行けば、旦那がとりあえず急いで来る訳で、やっぱ旦那もちゃんが好きなんだね。
でも譲ってあげない。旦那でもこれだけは譲れないんだよね、ごめんね。
「あ、旦那。今日一緒にちゃんのトコ行かない?」
「いいのか?殿はまだ、安静だから行かぬほうが・・・」
「はは、大丈夫だよ。ちゃんだし。」
何が安静、だろうね!
昨日思いっきりビンタ貰ってきましたけれども?
チャイムが鳴って、自分の教室に入る。
今日はしっかり授業受けて、皆のこと教えてあげなきゃ。
あ、前田の奴はもう寝てるし。早っ、まだ授業開始3分くらいだぜ?
どうせ、昨日は女の子とデートでもしてたのかな。
羨ましいねぇ、デート。俺様もちゃんとしたいなぁ。
そろそろ、俺に発表回ってきそう。ほら、きた。
今は古文だから、音読してその意味を言うだけ。うん、楽勝。
その後もノート取ったりして、時間は過ぎていった。
「おい、佐助。」
休み時間になって、だらけてたら誰かに呼ばれた。
この声はかすがだなー。
「何?」
「はどうしている?」
「んー、病院で安静にしてるかな。かすが、ちゃんってさ怒ると手出すタイプ?」
「いや、よほどではない限り違う。お前・・・に何かしたのか?!」
いやーこの人もちゃんを大切にしてるよ・・・
絶対付き合いたいとか言ったらこいつに反対される!言い切れるよ!
「へこんだまま行ったら怒られて帰ってきました。ビンタつきで。」
「いい様だ。とにかく、元気みたいで安心した。」
かすがは俺を軽く笑った後、教室に戻っていった。
どうせかっこ悪いよ、見舞い行って怒られてくるなんてさ。
「Hey、猿!」
「まって、仮にも俺、先輩だけどっ?!」
昼休憩には可愛くない後輩が来た。
しかも猿って!!
あーあ、そういえばこの後輩もちゃん狙ってんだよね。めんどう。
「関係ねぇな。で、の奴は元気だったのか?」
「関係ありまくりだよ。それなりに元気だよ。生徒会のメンバーのこと気にしてたけどね」
ったく、旦那も俺を使いまくるし、この伊達の方も面白がって俺を使ってる。
俺って先輩扱いされることない気がするよ!!悲しいんだけど!
「そうか、そのうち行くって伝えとけ。」
「いいよ・・・・って!なんで命令かな、伊達の旦那は!!」
いい加減疲れる。何、ホント俺年上なんだから少しは遠慮を知れ!
いろんな人の訪問受けて、授業してたらもう終わり。
さて、旦那と一緒にちゃんとこ行こうかな。
「ひーまー・・・なんで早く目覚めちゃうんだろ。佐助とかやっと終わったくらいだよ・・・」
「まぁまぁ、も勉強してればいいじゃない。」
「それがさ・・・ノート汚れて開かないから、また作らなきゃいけなくて、借りないとできないのー。」
鞄も染まってたけど、中までとかショック。
キレイにぴったりくっついてるの。糊でつけたみたい!赤糊?キモ・・・
「ちゃん?起きてる?」
ドアから顔を覗かせる、佐助。
「あはは、なんで覗いてるの?入ってきなよ。」
視線が合うと笑って、入ってくる。
「お、ゆっきーも来てくれたんだ。ありがとー」
「殿が元気そうでなにより!」
「ふふー、半端な回復力じゃないんでー。さっさと治して学校行きたいしね。」
ゆっきーはホント元気なんだから、こっちまで元気になれるね。
佐助も結構いつも通りだし、うん。こうじゃないと!
「あ、佐助。ノート貸してくれない?使い物にならなくてさ。」
「いいよ、はい。」
「ありがとー。で、みんなの様子は?」
「心配してるみたいよー?いろいろ聞きにきたし・・・あ、伊達の旦那はそのうち来るって。」
「ん、ありがと。」
皆は心配してるみたいだけど、特に変わった様子は無くてよかった。
友達が昨日の佐助モードだったら嫌だもんね。こっちが責任感じちゃうし。
あれれ、昨日も思ったけどさ、ちゃんめちゃくちゃ元気じゃない?
大分、血の気も戻ってきててさ。流石に縫った右腕とか骨折した左足は動かせないみたいだけど、
結構早く退院できそう。
いくら皆が、普通だったとはいえ心配してるから早く戻ってきて欲しいしね。
白い部屋にまた咲いた花。
(07.12.30)