廊下から、楽しそうな声が聞こえた。



「おや、お着きになられたのですね。」


珍しく微笑む上司を不思議に思い、誰がと聞けば、


「劉備殿の娘ですよ。相変わらず明るい人のようですね。」

と、言ったあとに、かなり爆弾を落とした。









「あと、趙雲殿の好きな人ですね。」










それは姜維と文官を固まらせるくらいの威力はあった。



あの、趙雲が?ときっと思ったのだろう。














「孔明殿・・・・あれ、今は丞相だったからしら?入っても?」


「ええ、どうぞ。」






「お久しぶり。・・・・ええと、丞相になったみたいね。凄いわ・・・皆知らないうちに位を上げるんだもの」





私は全然なのに。と苦笑しつつも、楽しそうな顔である。




「凄いのは姫もでしょう。相変わらず純粋なお心のようで。」


「あら、うれしい。」










ほのぼのと、一般的な会話に聞こえるのだが、姜維を始め文官は再び固まらざるおえない。









今度は丞相が?!

あの、黒い笑みでさらりと嫌味を吐きまくる人が、

普通に笑って人を褒めている。しかも、心からだ。












「、あそこの青年が姜維だ。」


劉備の紹介により、の視線は固まった姜維に向き、そちらに近付く。


そのことに我を取り戻した姜維は、膝を付き拱手する。




「殿の紹介にありました、姜維。字を伯約と申します。」



形にそった挨拶のはずだったのだが、将の皆は笑っている。

そして、自分の副将である張翼までも。




「姜維殿、私は小娘に過ぎないの。だから、普段どおりでお願いしても?。

折角、年齢の近い方と会えたと思ったのに、堅苦しいのは嫌いなの。」








「姫、姜維は礼儀正しいのです。堅苦しくないのは馬超殿と貴女だけで十分です。」




はむっとして、ひどい!と軽く言う。


その意識は、その馬超とやらに向いている。







「張翼殿、馬超殿のところに案内してもらっても?」

「わかりました。では、行きましょうか。」

「うん。苑琳は休む?」





疲れているだろうと思い、声をかければ肯定が戻る。

劉備も、ここで待つそうだ。


そしてと張翼はこの時間なら馬超は執務室にいると言われ、執務室にいくのだった。









しかし、そこに居たのは、馬岱という青年。


どうやら、馬超は腐れた友人を元に戻すと言って出て行ったらしい。




「どうしよう・・・じゃあ、戻ったほうがいいわよね。今日は小さな宴を開いてくれるらしいもの。」

「そうですね。殿達のところへ?」

「そうするわ。苑琳もそこだもの。」











戻った後は、苑琳を連れ身体を清め、宴用の衣装に着替えた。

けれど、あまり煌びやかなものではない。

今日の宴は身内だけとして、副将からでないと出席は禁じられている。

に言わせれば、「もったいないし、着飾る必要はないわ。だって皆素を知ってるもの」で。

準備をしているうちに、時は宴の時間となる。






















苑琳に連れられて、宴の部屋まで来ると中は騒がしい。

すでに張飛あたりが酒を飲んでいるのだろうかと思いながら。




扉をあければ、場は静まり視線を貰うが気にせず、笑顔で挨拶をする。







「遅れて申し訳ありません。皆様、お久しぶりですね。今日から、また共に生活を送らせてくださいね。」







「うむ。皆の者に内緒にしておったが、は今日より蜀の地で暮らす。

昔のように、相手をしてやってほしい。それと、私と諸葛亮で決めたことも発表しようと思う。」





























「をこちらに呼び寄せたのは他でもない、婚約のためだ。

趙雲。そなたもそろそろ身を固めるべきだと思う。それに、お前たちは仲も悪くない。どうだ?」
























娘と、重臣の驚く顔に、悪戯が成功したような笑みを見せる。




「殿・・・それは・・・」


「うそ。お父様、それ本当ね?嘘だったら、私、他国に嫁いじゃうわよ?」








「本当だぞ。お前も17だし、そろそろいいだろう?」



その言葉に、極上の満面の笑みを見せ肯定する。












今までは一年に一度だけしか会えない状態で、戦となれば、何年も会えなかった。




けれど、逢おうと思えばいつでも逢えるということ。


















「子竜。私を貰ってくれるかしら?」

「もちろん。も私でいいのか?」




「ええ。貴方がいいわ。」







宴会場の真ん中に立つ少女と、壁近い席にいる青年の婚約が、堂々とされた。





そのことに、皆が祝いの言葉をいう。

いや、半分はひやかしでもあるのだが。






「よかったな、趙雲!姫を大切にしろよ!」

「、何かあったら言って。直ぐに駆けつけるわ。」

「子竜やるじゃねぇか。堂々と婚約かよ。」

「・・・・我・・・祝ウ・・・」












そして、の合流というか帰還を祝う宴は、二人の婚約を祝うものとなった。









「姫、本当に趙雲殿が好きなのですね。」

と、諸葛亮が聞いた。


それは、宴も進み酒が回り始めたころで、も酔い始めている。

そのため、素晴らしくノリがいい。







「ええ。子竜!!」


いきなり立ち、夫となる者の名を呼んだ。大声で。



「どうしました?」

立って近づいてい来る趙雲に走りより、抱きつく。









「私、子竜のこと愛してるわ」






この言葉に、赤くなる者や、冷やかしを強めるものと、さまざまだったが、

結局、2人は幸せだからいいと、流して宴は終わりへとむかうのだった。












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こうして、彦星(もとい趙雲)と織姫(もといヒロイン)は、
めでたく父に認められ、一年に一回でなく、
毎日会えるのでした!以上!!

・・・ぐ、ぐだぐだすぎた。
そして長すぎた。
趙雲、出番全然なかったですねー。趙雲夢なのにww
ちょ、ちょっとだけ織姫と彦星の話も入ってました、よ。
逢えないとか、ね。
最後くっついたけれどwww


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