「…本当に出ていくつもりか?」 「うん。つもりじゃなくて、出ていくよ。ごめんね。」 私のごめんね。はいろんな意味が篭ってる。 勝手な行動で里を抜けてごめんね。 絶対敵にならないなんて嘘ついてごめんね。 …好きな人のために死んでもいいなんて言って、怒らせてごめん。 あと、貴方を追いかけようとしててごめんね。 「まぁそこまで決めてるなら仕方ないな。」 「…テマリ…」 私の友達で、一番仲がよかったテマリと私は砂の里の門にいた。 出て行く私を止めようとしてくれた友達。 その友達を置いてでも、彼を追いかけようと思った私。 どっちも間違っては居ないと信じたい。いいえ、信じる。 苦笑してテマリは私の肩を叩いて、町の方へと行こうと私とすれ違う。 「……、死ぬなよ?あと、頑張れ。」 苦笑しながらも、叶わないだろう想いを応援してくれた。 そんな友達に、涙が出そうになる。泣いては駄目なのにね。 里を裏切るのは、私なんだから。 「…っ!……ごめん。ありがと!」 歩いてくテマリの背中に声をかければ、手だけ振ってくれた。 本当に、ありがと・・・テマリ。 あと、おわかれ言えなかったけど、我愛羅もカンクロウも、ありがと。 みんな、ばいばい。私、頑張れるだけ頑張ってみるから。 「・・・それで、里を出てきたのか。」 バカにするような、冷たい笑みを浮かべるのは、暁の一員。サソリ。 私の好きな人で、私が追って出てきた人。 「・・・そうだよ。私は、サソリのことが好きなの。だから、追ってきたの。」 「オレがお前のこと嫌いだ、って言ったら?」 「・・・」 意地悪だ。でも、本当のことかもしれないと思うと恐い。 今までは気持ちを伝える為にって走ってこれたし、目標という支えがあった。 けど、伝えた今は・・・何を支えにできなくて、どうしていいかわからない。 どうしたらいいの? 私は、何と答えていいんだろう・・・ 「また、意見を押し付ければいいと思ってきたんだろう? あの時みたいに、何も考えずに。」 グサリ、グサリ。音がしないはずなのに、心に刺さっていく音が聞こえた、気がした。 「・・・・叶わないって・・・・知ってたよ!」 知ってたんだよ、サソリ。 でも、私は来ちゃったんだ。好きだったから。 「知ってた、痛いくらいに叶うわけないって皆に言われた! けど・・・けど!!それでも私はサソリが好きだったから仕方ないでしょ?! 好きになるなって言われても、なっちゃったからどうしようもないよ!」 「馬鹿なやつ。」 深い溜息と一緒に言われたのは、気持ちを全部否定するかのような言葉。 それで、私の力は無くなった。 ペタリと、地面に崩れるように座り込んでサソリを見上げた視界は霞んで。 やっぱり叶わなかったんだ。 それを知った脳は、全てを手放したかのように諦めた。 一生懸命握ってた拳を、一瞬にして解いた感じに似てると思う。 「うん、ばか・・・だよ。嫌いならそれでいい・・・その手で殺して・・・?」 「殺して欲しい?ふざけてんのか。」 今までで一番の冷笑を浮かべて目の前にサソリはしゃがみ込んだ。 「テメェは、馬鹿だし、考えずに行動するし、しつこいし、迷惑な女だ。」 「けど、嫌いじゃねぇ。」 相変わらず冷笑だったけど、その腕で抱きしめられた。 笑顔に似て、冷たい腕。 ただ、その続きの言葉が温かいもので。 「寧ろ、好きだぜ?」 冷笑を浮かべて貶して抱きしめて back