骸さんがいなくなって大分経つのに、まだ戻ってこない。

今年は一緒に新年を迎えるって約束したのに。





「骸さんの、ばか……」

帰って来たら連絡くれる約束もまだ果たされてない。

いないってわかってるのに。






気付けば黒曜のいつも、骸さん達が使っている建物に来ていた。


携帯を開いて、骸さんの番号を探して表示させるのにそれを押すことはできない。





でも、どこにいるのか知りたいよ。

せめて無事だと声を聞かせて。






馬鹿みたい、と自嘲の笑みを浮かべて帰ろうと考える。



何か考えてないと、また骸さんとの思い出がある場所へと足を運んでしまいそう。














「さん?」


「あ、久しぶりだぴょん」

「千種に犬……」





どうして、あなたたちはいるの?

どうして、あなたたちがいるのに彼はいないの?

彼は戻ってるの?

どうして連絡がないの?私は捨てられたの?





「む…くろ、さんは?」


二人に聞いても答えてくれない。

ねぇ、どうしてなの?




「戻ってるの…?」

答えてよ。どうなの?


でも答えてくれないまま。


私はなぜか走って、最後に骸さんと会った場所に向かう。





何度も瓦礫に足を取られながら部屋に入り込んだ。




そこには視界を奪う霧。



思い出した、あの骸さんはあの子の中にいて、生きてるって

だからリング戦も、こんな霧の中出てきたのを。




もし、この霧がそうなら……













「骸…さ、ん………いるの……?」



なんて泣きそうな声。自分の声がここまで弱く聞こえるなんて。

ここにいるのは、貴方か、髑髏なのか



「骸さん!!返事してよ!!」




実体がなくてもいい。


幻でもいい。



だから返事をして。貴方がいると。

コツリ、どこからの音かもわからないほど響く。







「いつからはそんなかわいらしい方になられたんですか?僕がそんなにも心配でしたか?」



「骸、さん……本当に、骸さん?」

「この姿は、以前の僕と違いますか?」




この声も、そのすらっとした体も、何とも言えない笑みを浮かべた顔もあなたのまま。





「骸さんの……ばかぁ!!ずっと、待ってた、のに……!ど、して……連絡くれないの……っ!!さみしかっ、た!」



私は貴方を見て、泣き崩れる。



馬鹿みたいに涙を流して、縋った。


格好悪いのもわかってるし、今まで強い振りをしてた私は、そこになかった。


ただ泣く子供同類で、本当の弱い私がいるだけ。




骸はを腕の中に閉じ込め、髪をすく。




「しかたない人ですね、あの時は大丈夫って言ったくせに……しかし予定より遅れてすいませんでした。」

「すて、られたと思った……あの約束も……」




「僕には貴女だけですよ、。ギリギリだけど約束も守ってますしね。

ほら、もう後少しで年明けです。泣いたまま年明けを迎えますか?」




涙が溜まった目尻を舐められて、貴方は笑みを見せてくれる。


私は……




「できれば笑いたい、な。」

「そうですね。」


あと10秒になったのを確認して、私は骸の首裏に手をまわす。





「わがまま、していい?」

「なら、歓迎しますよ。」


どちらともなく、キスをした。

今までにないほど深いものを。







幻でも、貴方は私のもの。

そして私は貴方のものだから。







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南国果実様はシリアスが似合う気がします。
なのでシリアス風味に・・・・(!?

A HAPPY NEW YERA!!
今年も、よろしくお願いします!

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