ーー!!今日は飲み明かすぞーー!!」



今日は師走の最後の日。

奥州は雪に囲まれてしまい、戦など出来るわけがなくて平和そのもの。

いや、雪の多さで苦労してる農民らもいないとは言い切れないけれど、

この青葉城は平和すぎるくらい。



それを証明するのが、この部屋の中の様子。


武将だけでなく、足軽の人たちまでもが参加を許された宴。

この場にいる者達は、酒を飲みまくっているし、歌い踊る者も多数。




「い、いや、遠慮しておく。酒強くないし、二日酔いは勘弁だから・・・」


「えー、つまんねーのー」

「こら成実、睦月殿を困らせるな。ほら、あっちで待ってる野郎どもが居るぜ?」

「ツナっ?!俺、野郎と飲むより女の子の方がいいー!!」


「我が儘言うんじゃねぇよ。じゃあ私と飲むか?」

「・・・・遠慮しとく。」


綱元は成実を引きずって行く。

ここの武将らは酒に強い人が多い。

小十郎や、綱元。城主の政宗もだ。








「なぁ、こじゅー?」

酔いつぶれた者の後始末(?)をしている小十郎に声をかけてみる。

「どうされた?」

「政宗知らない?一刻くらい見てないんだけど・・・」


一応、この宴のメインの政宗がこの宴会場に姿を置いていない。

最初は厠くらいかな、とも思ったけれど・・・一刻は流石にないだろ。


「ああ、政宗様はきっと自室の前の縁側にいらっしゃるはずだ。」

「なるほど、今夜は月が綺麗だもんな。ありがと、行ってみるよ」

「外は冷えております、風邪を召されぬように。」

「ん。こじゅも程ほどにしないと、身体壊すよー?」



ひらひら、と手を振り部屋を出る。

外の気温は冷たくて、酒で熱った身体をひんやりと撫でていく。


今宵は刺さるような下弦の月。

霞無くて、はっきりと存在を示す。



















「まーさーむーねー?」

政宗は小十郎が言った通り自室前の縁側に座っていた。


「Ah...?Honeyか、どうした?」


「んー、政宗が戻ってこないから来たんだよ。あと半刻もすれば年が明けるのにさー」



半刻、一時間は意外に大きくて小さいから。

最後と最初は出来れば好きな人と過ごしたいと思う。




「ちゃんとアタシ酒持ってきたんだぞー?どうせ無くなる頃だろうしさ。」

「気がきくじゃねぇか。Thank you.」


「You're welcome.ほら、飲もうぜ。今宵は月も綺麗なんだし」



杯を政宗に持たせて、酌をする。

「、テメェも杯持てよ。酌してやる。」

「ありがと。」




言われるまま杯に酒を注いでもらい、口をつける。


そこまで度が強くない酒を持ってきたから、一気に熱くなることも無くほんのりと温かい。


酒を飲みすぎるとすぐに酔ってしまうので、適度に飲みつつ、政宗に酌をする。



冬は戦の話をあまりしなくていいから、平和で、バカらしい話を幾つもした。


除夜の鐘が鳴り響き、新年が近づくことを知らせる。


108つの鐘が鳴り響いて、宴会場の方はさらに騒がしくなる。



ああ、新年を迎えたんだ。








「・・・・・・酒で年越ししちゃったね。去年はちゃんと蕎麦だったのに。」


「そうだな・・・」


「年越し酒か・・・・・悪くないね・・・・・・・・・A happy new yaer.政宗」


「Happy new yaer.今年もよろしく頼むぜ?」


「ん、こっちこそよろしく。」






こてん、と政宗の肩に頭をのせる。

触れる肩とか、腕が温かい。



「珍しいじゃねぇか。酔ってんのか?」

「そう?あー、酔ってるかもしれないね。うん、きっと酔ってる。」




だから、今は酔ってることにしといて。

ちょっとだけ、いつもよりくっつきたいからさ。

ぎゅー、と政宗の腕に抱きつく。




「おいおい、Hugするならこうだろうが。」


政宗は身体の向きを変えて、アタシを抱きしめる。

「政宗の体温・・・気持ちいいね・・・眠くなる。」




だからアタシは政宗の唇に自分のを重ねてすぐに離してもう一度政宗の腕に包まって夢へと意識を飛ばす。


「おやすみ。」

政宗はからしてきたことに驚きと喜びを隠せなかった。


「good night,Honey...いいお年玉をもらったみたいだな。」







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年越し酒でした!
柚は毎年、祖母の家で蕎麦(どん○え)食べてますよーww
皆さんはどうでしたでしょうかー?

A HAPPY NEW YERA!!
今年も、よろしくお願いします!

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