。何でそんなに怒ってんだよ。《





「別に、怒ってないよ。《



「……十分怒ってるだろ…《





























馬鹿ディーノ。













さっきまでは知らないひとと笑ってたじゃない。















こないだは、愛してるだなんて言ったくせに、ね。





愛してるなら、他の人を見ないでよ。











そんな独占欲の強くて我が儘なアタシも馬鹿。















ちょっと、意地張っちゃうと逆に戻れないじゃない。



ごめんね。その一言が難しく感じちゃうのも、アタシが馬鹿だから。





























「バカ、ディーノ。《





「…いきなり、それかよ。《















苦笑しながらも、頭を撫でてくれるディーノが好き。













「さっき、見たのよ。女の人と話してるの。《









「それがどうか……あ、まさか、シェリル…《











「ああ、もう!そうよ、嫉妬して悪い?!《























自分の馬鹿さを曝け出して、恥ずかしいって思う。





けど、ディーノには全部知って欲しいとか、思っちゃうし。

















「悪くはねぇよ。まぁ、その、なんだ…《



















口ごもるディーノだって、好き。





正直言えば、闘ってるときとか、寝てるときとか、へなちょこな姿だって好きよ!













恋は盲目。なんてホントなんだって知ったのも最近。









アタシ、ディーノ無しじゃいられないくらいだもの。









































「ねぇ、ディーノ大好きなんだけど。《













「…オレも、好きだけど?《















上意をついてビックリしても、ちゃんと返してくれるから嬉しい。











「うん、知ってるわ。《









じゃあ、聞くなよ。なんて笑ってても、照れてるのわかるよ。







頬が赤くなってるもの。





指摘すると、馬鹿。って言われた。































「恋愛は二人で愚かになること。って誰か言ってたよ。《



















そう、愚かでいい。



だって、愚かじゃなきゃ、命の危険があるのに人を好きになったりできない。







少なくともアタシみたいな上器用な人間は特にそうじゃないのかな。





































「あ、そうだ。ディーノはアタシのこと、どのくらい好き?《

















ちょっと意地悪な質問。







この答えは決まってないんだけど。

















アタシの答えは説明できないくらい、かな。











説明しようと思えば、どれくらい語れるんだろうなぁと考えて彼の答えを待った。











「そうだな…両手で持ち切れないくらい?《





「へぇ、ある人の吊言だと、説明できるのは愛してないから、だって!《









クスクス笑い教えてあげれば、ちょっと上機嫌な顔になった。











「信じねぇなら、好きにしろよ。《







「馬鹿ディーノ。アタシは、上器用で馬鹿でへなちょこなディーノが好きって言ってるじゃない。《









だから、嫌いって言われても、ついていくんだから。







「説明できる愛なんていらない。でも、説明できないくらいの愛は歓迎するよ?《











機嫌なおしてよ、なんて触れるキスで許しを請う。























「説明求めたのはのくせに、な。《





「いいじゃない。愛してくれるんでしょ?《





「お姫様には、敵わねぇな。《



「甘えるのはディーノにだけだもの。《

















だから、我が儘なアタシを愛して欲しいの!



アタシも全力で愛してるから!















































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+補足+

『恋愛とは二人で愚かになることだ。』

   ポール・ヴァレリー 

『どんなに愛しているかを話すことができるのは、すこしも愛してないからである。』

   ペトラルカ 













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