「miele.《 「なぁに、ディーノ。アタシ、そんな蜂蜜色に染めてないわ。《 髪を一房、手にとり口付けた。 もちろんオレは愛しいからの行動。 けど、に通じるかは微妙。 「・・・別に蜂蜜色ってわけじゃないんだけどな・・・・・・《 「?《 軽く肩を落とせば、上思議そうに見上げてくる女の子。 家族で、オレの部下の腕のいい暗殺者。 それでもって、大事な彼女。 「変なディーノ。あ、アタシ買い物行ってくるわ。愛用の香水切れちゃったの。《 「・・・わかった。《 正直、吃驚したんだ。 いきなり髪に口付けするから。 「でも、mieleなんてイタリア語じゃ2通りの意味はないのよ。勉強上足《 今日は、語呂合わせで何の日かは知ってる。 Honeyの日 「あーあ。どうせなら恋人の意味の方がよかったわ。《 ふう、と溜息を吐き、お店に入る。 夏休みだからか、人が多い。 選ぶ時間を間違えたようだなぁ。 「あれ、ちゃん?《 「恭子だ。どうしたの?《 「えっとね、今からハルちゃんとケーキバイキング行くの。ちゃんは?《 「アタシ?香水切らしたから買いにきたの。《 ふんわり、幸せそうに笑う子。 身の回りの人間が、マフィアに関係してるけど、無垢な子。 「ちゃんも、行く?《 「ううん。今日はやめとくわ。また誘って?《 「わかった。またね。《 「うん。《 別れて、買い物をしたけれど、やはりさっきのケーキバイキング行きたかった。 女の子だし、甘いものも好きなのだ。 「・・・ディーノに買わせようかな。《 先ほどの仕返し。と思い、連絡を入れる。 『どうした?』 「あ、ディーノ。ケーキ食べたい。買っておいてよ。《 『・・・・まさか、それだけの為か?』 「そう、よ?何か文句でも?《 『いや、わかった。買っておけばいいんだろ』 「ん。お願いね。《 きっと携帯の向こう側では、困ったように笑ってるだろうディーノを想像する。 我が儘と知ってるけど、つい甘えるのもいいよね。 にっこりと笑った後、帰ろうと店を出て暑いコンクリートを歩いた。 「ただーいまー《 ディーノが待ってる家、と言っても今は私が借りてるマンションの一部屋に帰る。 「お、帰ってきた。買ってあるからな。《 「ありがと。《 笑って、荷物を降ろす。 たまには、紅茶でもいれてあげよう。 「紅茶飲む?《 「もらっとく。《 お皿とかも、用意して、机に準備をする。 「ふふ、やっぱりこういう平和な時間って幸せ。《 「diletto.《(最愛の人) 「なに?Un marito futuro.《(未来の旦那様) 「ti amo《(愛してる) うれしいけど、くすぐったい。 クスクスと笑う。 だって、ディーノがダメダメじゃなくて、かっこいい。 「私も、愛してるよ。大好き。《 机をはさんで、触れるだけのキスを返した。 Io faccio una promessa a Lei oggi. Se Lei è caro. (今日、キミに誓おう。キミが好きだと。) back