何か、分からないけど空っぽだ。

箱の中とかじゃなくて、身体が。






だから、何となく部屋を出て広間に行けば、お母さんとロードとデロがいた。

ロードとデロはお母さんが焼いたホットケーキを食べてた。




「あれ?も食べるぅ?」

「ヒヒッ。これ美味しいよっ。」



二人が誘ってくれた。




でも、違う。



お腹よりうえ、胸の間らへんが空っぽなんだ。


の返事を待つ間にジャスデロは、お母さ−ん、お代わりっ!ってお皿を持ち上げて言った。




「今日はいいや。」


と断ると、また何となく屋敷をぶらぶらし始めた。



何だろな…最近ずっとこんな感じだ。

何か、物足りない感じが続いてる。










「あれ、どうした?」

「ティ、キ…」



ティキは家族で言えば、お父さん的存在。

ちょっと安心したら、元からふらふらだった体の力が抜けた。





「おいっ!?大丈夫か?」

「………空っぽ。」

「腹が?」




質問の答えになってないけど、零した言葉にティキは訝しげに聞いてきた。



「違う…そうかな、って思ってお母さんとこ行ったけど、全然だった。何か、も少し上…胸らへんがからっぽなの。」

「…わかんねぇ。何かが不足してんのかねぇ…?」





ティキも床に座り込み、と同じくらいの目線にして、あやすように頭を撫でた。


そしたら、つい寂しさが溢れ出して目からも零れた。


ティキはぎょっとして、慌てたけど零れるモノは止まること知らなかった。








「あ――――――っ!!ティキ、てめぇ何泣かせてんだよ!!」



自分の部屋から出て来たデビットは、が泣いてるのを見てティキに蹴りをいれた


「オレ、泣かせてないって!!」


デビットとティキは言い合ってたけど、ティキが負けたのか、広間に降りていった。




「!どうしたんだよっ」







何かが、ストンと体の中に落ちていく。





私が欲しかったのはこれだ。



私はデビット不足だったんだ。


ずっと仕事とか入っちゃってて・・・ずっと会ってなかったから・・・









「寂しかった………」










しゃがんだデビットに勢いよく抱き着いた。


「もっと……名前」

「…これからは毎日、顔見せに行くからな」






ユー・コール・ミー

(もっと、もっと私の名前を呼んで)

back