「ねぇ、クロス?今回はいつまで居るの?」 私は机を挟んで座り、ワインを飲んでいる赤毛で帽子と半分だけの仮面を付けた男性に問う 彼は黒の教団のエクソシスト。 そして元帥になった人。 私の好きな人でもある。 「明日だろうな。」 「そう・・・・今日来たばっかりなのに・・・」 クロス・マリアンは一箇所に留まらなくて、女遊びが凄くて借金まみれで・・・ 全然いいところなんて無い筈なのに 私は何故か彼を好きになっていて、役に立ちたいと言ってサポーターへとなった。 確かに彼は私を幾度となく抱いたわ。 でもそこには愛してるなんて言葉は無い。 ただ欲望のまま相手を求めるだけの行為だった。 「じゃあそろそろ休まないと。クロスの体にも悪いわ?」 「。」 ベッドへと移動しようと席を立ち彼に背を向けた。 同時に彼は私の名を呼び自分の方へと私の体を寄せる。 「・・・んっ・・・!」 不意に口付けられ、驚く私など気にせず、クロスはの唇を奪う。 あ、だんだん苦しくなってきた。 酸素が取り込めてない。 そして限界になった私はクロスの胸板を叩き、やっと唇が離れる。 「バカクロス!!私いきなりは苦手なの知ってるでしょう?」 少し目尻に涙を浮かべた私が怒るが全く動じない。 寧ろ笑みを強くしたくらいだ。 「、お前はおとなしく抱かれてろ。」 クロスは私をベッドへと押し込み首筋に口付けをした 「ク、クロス!!」 「なんだ?」 「・・・・ううん。なんでもないわ・・・」 そんな行為よりも・・・貴方に行かないでと、傍に居てと言えたらどんなに嬉しいでしょう それが貴方にとって迷惑となることを知っているから私は言えない。 只の体だけの関係で止まってる。 その晩は彼に抱かれ眠りに落ちた。 窓から入り込む日に目が覚める それと同時に気付いた。 隣に彼の温もりがない事に 「ホント・・・馬鹿よ。貴方も私も・・・」 何も言わないで言ってしまうなんて貴方は相当の馬鹿よ。 私がそれだけで心配することくらいわかってるくせに 何も言えないまま彼の背を追いかける私も相当の馬鹿ね。 ただのサポーターとしてしか見られないのも分かっているのに。 は大きく溜息をついた。 また貴方が居ない生活が続くと思うと悲しかった。 欲しい温もりに手が届かないのが悲しかった。 「貴方は覚えているのかしら・・・あの日約束してくれたこと」 以前一度だけ彼は私と約束を交わしてくれた。 『 』 軽い気持ちで交わしたのかもしれないけど・・・私にとっては大切なことだから。 この約束で少しだけでも貴方が気にかけてくれるかもしれない。 はもう一度溜息をつき、朝食を取ろうとベッドから降り紅茶を淹れた。 瞬間だった。 外でいきなりの爆音と人の悲鳴。 急いで外に出てみれば無数の敵。 所謂アクマというやつだ。 数は分かるだけで10体、全てレベル1 「嘘・・・いつのまにこんなにも増えていたの?!」 最近アクマが増えてきたことは知っている。 しかし自分の街でもここまで増えているなど知りもしなかった。 呆然とその惨劇を見ていると一体のアクマがこっちに近づいてきた。 やばい。逃げなきゃ。 避難をするように脳が指示をするが、身体は恐怖に縛られ動くことをしない。 アクマはを殺すために弾丸を撃とうと狙いを定める。 「クロス・・・私はもう終わりなのかしら・・・・?」 言葉にすれば何故か終わりが怖いと思ってしまった。 今までも何度もこんなことがあっても恐怖など感じもしなかったのに。 アクマが弾丸を放ったのと同時に私は何かに動かされる。 そしてアクマも爆発する。 「ったく、世話の焼ける奴だ。」 私を腕に抱えたのはクロス・マリアンだった。 起きたら既に居なかった人物がなぜここに居るの? 「うそ・・・クロス・・・・?」 「それ以外に誰が居るんだ。」 誰も居ないよ。クロス・・・ 私を安心させるその声は貴方だけのもの。 「クロスっ!!」 はクロスにしがみついて嗚咽をあげる。 彼に涙は見せないつもりだったけれど終わりを感じた今は泣かずにいられなかった。 「クロス・・・クロス・・・!!」 「なんだ、そんなに呼ぶな。オレはここに居る。」 「怖・・・かった・・・・・・死ぬのが・・・クロスにあえなくなるのが・・・怖かったの・・・・・・・」 「死なせるか。忘れたのか?あの約束。」 ま さ か 。 彼があの約束を覚えてくれているの? だから今も助けてくれたの? 「そんな訳ない・・・」 「言ってみろ」 「『はオレが守ってやる。ずっとだ。』・・・・でしょ?」 「わかってんじゃねぇか」 クロスは抱えた片腕を頭にのせ、ゆっくりと撫でる。 私を安心させるかのように、優しくゆっくりとだ。 「・・・・・クロス?」 「なんだ」 「迷惑かもしれない。けど・・・・・」 貴方無しでは生きられないの (それ位愛してるわ。)(当たり前だ。それに迷惑じゃない。) (本当?)(あぁ、本当だ。) back