「慶次!さっさと起きてよね!」 「んー、そのうち。」 いつかの夢を楽しく語る馬鹿共よ! 今日もいい天気!! そしても、大丈夫! 縁側で体を伸ばすと、隣の部屋で寝ている慶次を起こしに来たのだけれど 全くもって起きる気がしない。 いや、脳は起きてるんだけど・・・寝転がったまま。 「おにーさん。アタシに蹴飛ばされるか、に蹴飛ばされるか、自分で起きるか、 もしくはこの場で刺されて殺される。どれがいい?」 「普通に起きます、ごめんなさい。」 ちなみにアタシの手には護身用の刀を握って笑みを浮かべてるから、悪意は満々だよ! そうしたら、一気に起き上がってくれた。 わざわざも来てくれたのに・・・ 「つまんない、も来たのにー。あ、慶次はご飯どうするの?いる?」 「貰っていいなら欲しいなぁ」 「じゃあおいでよ。アタシの部屋に用意してあるから。」 アタシは自分の部屋に入って座った。 慶次もアタシに向かい合うように座る。 「はい。おかわりしてもいいけど、そんな量ないからよろしく。」 「わかった!」 久しぶりに誰かと朝餉をとった気がする。 懐かしさを感じながら、食べ終わったのを片付けた。 まだまだ、やることはあるんだ! 「お先。アタシは店の準備してるから、好きにしてるといいよ。」 中に置いてあった店の暖簾を持って入口に向かった。 は基本入口にいるから、そこで待っててくれるんだ。 暖簾をかけた後は腰掛もださなきゃ! に手伝ってと言えば、寄ってきて腰掛の渕を咬んで持ってくれる。 そのまま反対を持って外に出した。 お団子は用意してあるから大丈夫かな・・・? 太陽がしっかりと昇る頃になると旅の人とか、狩りに出てた人達が寄ってくれた。 客が居なくなったから、休憩をしていると慶次が声を掛けてくる。 「・・・意外にも客居るもんだねぇ」 「ちょっと失礼だと思うな。」 一応ココを営んでいる人に何言ってくれるのかな、この人は! 「でも何でここで茶屋やってんだい?」 「なんとなく?」 「嘘だな?」 「見抜かれるようになったか・・・残念。そう、嘘だよ。 アタシがここで茶屋をしてるのはここが気に入ってるの。 あと、いつかは町に住んでみたいから、それまでに田舎暮らしを・・・・?」 何気なく夢を話してるのに、おにーさんは"何言ってるのこの子"な顔をしてる。 「何?なんか変なこと言ってる?」 慶次は我に返り、笑った。 「いや、そうじゃないんだ。でも町に住むのは難しくないだろう?」 そうだ。町になんて簡単に住める。 それでも、私は住めない。まだ、住まないんだ。 「んー、でも外で放してあげれなくなるしさ。」 そう言って笑って誤魔化した。 きっとは俺をちゃんと騙せたと思ってる。 だけど、なんか哀しみみたいなのと影があった気がする。 この目の前の明るい子も俺と同じ訳有り? 「ねぇ、慶次の夢って何?」 「俺?いろんなトコを回り歩くことかな。」 が嘘をつくように俺も嘘をつく。 確かに夢ではあるだろうけど、そこまで強く願うほどの夢ではなく、ただの夢。 俺もきっとちゃんと笑って誤魔化せてる。 ああ、このおにーさん・・・慶次も訳ありなんだね。 アタシとちょっと似てるよ。 なんか都合悪いと笑って誤魔化す、アタシに。 「ふーん。お互い大した夢じゃないね。」 「確かになぁ・・・でもそのほうが叶えやすくないか?」 「あっ、そういえばそうかも。」 それからまた笑って。 慶次と馬鹿みたいに騙しあって、嘘を重ねて、笑うのって何か楽しい。 まるで昔からの友達みたいに気軽に話せて、でもどことなく他人で。 付き合いやすいのに、素が見れないのが少しサミシイ。 「慶次といると、楽しいよ。昔から知ってたみたいに気軽に話せるもん。」 「俺もといると楽しいよ。まるで相棒みたいだし?」 「あとね、」「それと」 「「騙して騙されて楽しいのが、楽しい。」」 そういって、一日を過ごす。 きっとそれもお祭りへ行くまでだけど。 ------------------------------------------------------------ 馬鹿みたいに嘘を吐き出して一日を過ごす。 まだ信頼しきれないキミへの最大のプレゼント。 そんな感じで楽しんでいると思いますwww